論理パズル

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 論理パズル

 各種論理

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三段論法(演繹法)・帰納法・背理法・論理的飛躍・弁証法・類推・仮説形成・詭弁論理など、各種論理の解説。
選択肢の判別 111の視点(PDF/無料)』:本ページにて記載した『論理パズル』、『数理パズル』、および『各種論理』についても掲載していますのでご利用ください。


論理パズル・数理パズル
『消えた1,000円の謎』(心理操作と前提操作)
『勝利をつかめ!』(前提を疑う)
『天使と悪魔と人間』(背理法と消去法)
『犯人を見つけろ! ~てへぺろ行方不明事件』(背理法と消去法)
『魂を返せ!』(背理法と消去法)
『Aさんの帽子は何色か?』(背理法と消去法)
『今週のジャイアン当番』(背理法と消去法)
『5人の宇宙人』(背理法と消去法)
『偽金貨はどれだ?』(思考の転換・組み合わせ)
『ライオンと羊とキャベツを運ぼう!』(思考の転換・組み合わせ)
『二つの砂時計』(思考の転換・組み合わせ)

■参考
三段論法
前提操作(前提のすり替え・条件トラップ)
矛盾
背理法
仮説形成(アブダクション/リトロダクション)
アンカリング効果

※三段論法(演繹法)、帰納法、論理的飛躍、背理法、弁証法、類推(類比)、仮説形成(アブダクション/リトロダクション)等の詳細については『各種論理』のページをご参照ください。

答え
・ドナルド君:店主が5,000円の値引きを認めたのだから、本来客側は25,000円を支払えば済んだはずだ。にもかかわらず、客が支払った金額は27,000円となった。では、この2,000円分の金額は一体どこから現れたのか。
・近平君:レジ係が2,000円をくすねさえしなければ、客は25,000円を支払うだけでよかったのだから、その「2,000円分はレジ係のくすねた金額」に当たるんだよね。
・ドナルド君:「27,000円の中にレジ係のくすねた2,000円分が含まれている」というのなら、問題文の
「27,000円に2,000円を足す」という計算は、「レジ係のくすねた2,000円」を2回足すということになるだろう。

・近平君:なるほど! 問題文自体にウソが仕込まれているんだ! 「総額30,000円のお金の動き」として見るのなら、客側に返金された3,000円が計算に含まれていないのも、そもそもおかしい。
・ドナルド君:本当の計算としては、「店の売り上げとなる25,000円」に「レジ係の手に渡る2,000円」を加え、さらにそれに「客に返金された3,000円」を加えると、問題文にある「客が最初に支払った30,000円」と一致する。

・近平君:よし、問題文を正してみるよ! 「客は一人9,000円ずつ支払ったことになるので、支払いの合計金額は27,000円です。ただし、この金額には、レジ係がくすねた2,000円分、つまり、本来はレジ係が客に返金すべき2,000円分が含まれていますが、客側はそれを全く知りません。この『店側に動いた(客が支払った)27,000円』に『客側に動いた(実際に返金された)3,000円』を加えると、合計金額は30,000円となり、客が店に最初に支払った金額と一致します。」

・近平君:ところで、問題文に虚偽の計算が仕込まれていたことは確認できたけれど、どうしてそれに気づくことができなかったのだろう。不思議だなあ……。
・ドナルド君:問題文に含まれている、「(客による)支払いの合計金額は27,000円」、「客が最初に支払った30,000円」という表現は、つい「客側の視点」で一方向的に文脈を捉(とら)えてしまう。それで、問題の読み手はそこに意識が強く引っ張られて、逆に「店側の視点」から見たお金の流れが把握しづらくなるんだ。※アンカリング効果
・近平君:確かに、さっきの説明のように、「客側が支払った27,000円は、店側が受け取った27,000円」だと視点を切り替えて捉え直せば、店側から見たお金の流れが確認できて理解が簡単だものね。計算上の誤りがすぐにわかった。

・ドナルド君:ところが、「視点が固定されて切り替えができずにいる」と、「客側が支払った27,000円にはレジ係のくすねた2,000円分が含まれている」という「前提条件」が掴みづらくなり、読み手の思考からそれがすっぽりと抜け落ちてしまう。だから、読み手は「レジ係のくすねた2,000円」が二重に加算されていることに気づけず、筋道(すじみち)を見失って宙に浮いたようになってしまうんだ。 ※前提操作(『前提の消失/前提の隠匿(いんとく)』)

・近平君:はじめは訳(わけ)がわからなくて狐につままれたようだったよ。「問題文自体に虚偽が仕込んである」だけでなく、「心理的な誘導トリック」も使われていたのか。作為的に表現を操作して読み手の視点を固定し、その後の判断に歪(ゆが)みを生じさせる「暗示トリック」にかかってしまった、というわけだね。※アンカリング効果

・ドナルド君:おまけに、思考に筋道を立てるうえでの重要な情報である「前提」の一つを見失わせて混乱させる「論理トリック」も仕組まれている。 ※前提操作(『前提の消失/前提の隠匿(いんとく)』)
・近平君:「レジ係の盗みを客側が全く知らない」という状況も、「レジ係がくすねた2,000円を足す」という虚偽の計算を読み手に信じ込ませるための暗示材料となっているね。

・ドナルド君:しかもだ、「これにレジ係がくすねた2,000円を足すと」のように「偽(にせ)の計算を当然の条件として直ちに与えられる」と、読み手は自然とこの誘導に乗せられて、この条件を前提の一つとして新たに筋道を立て直そうと試みる。だが、そもそも「偽の前提」を基(もと)にして計算が合うはずがない。これもまた、論理的誘導の一手法というわけだ。 ※前提操作(『条件トラップ』)

・近平君:妖(あや)し気(げ)に立ち現れては、ふいと消えてしまう「物の怪(け)」の変幻(へんげん)のように、「前提の変幻」に翻弄(ほんろう)されて、考えれば考えるほど、いっそう混迷(の淵(ふち)に深く陥(おちい)ってしまうというわけか。それにしても、ものごとを理解するには「視点の切り替え」や「相対的視点からの検討」が大事なんだね。それと、「国語力」と、「論理的思考力」もだ!

※物(もの)の怪(け):人にとりついて祟(たた)りをする妖怪(ようかい)・死霊(しりょう)・生霊(いきりょう)の類(るい)。
※変幻(へんげん):出没や変化をすばやくすること。
※翻弄(ほんろう):思いのままにもてあそぶこと。

※参照
・『アンカリング効果(初期値提示誘導)
・『三段論法
・『前提操作(前提のすり替え・条件トラップ)

 参考

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